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Dream Quest 本編77

お姉さんは少年から手を離し小さく舌打ちしてガイドの所に歩き出した。
バツの悪そうなお兄さんは落ちつきなく色んな所に視線が移っていた。
ガイドと話していたインテリ男は、チラッと俺を見たが直ぐに俺に背を向けてガイドと共にスタスタと歩き出していた。
それを見たお姉さんも同じ方向に歩きだしていた。
「お、おい!何処行くんだよ!」
軽そうなお兄さんは2人を見て慌てていた。
「面白くないから場所変えるんですよ」
少し遠くから声がしていた。
「「おい!ちょっと待てよ!ちっ…」
お兄さんは少年の方を見て何か言いたそうだったが、とりあえず何も言わずに先に行った2人の方へ走って行った。
少年は茫然として座りこんでいた。
「少しは襲われた人の気持ちが分かったんじゃないか?」
俺は低く小さな声で少年に向かってつぶやいていた。
少年は俺の方に走ってきて俺の服を掴んでしゃべりだした。
「あの人どうなったんですか!!?」
「あの人?」
「僕を庇って蹴られて…消えた…」
「ああ…」
俺にも何が起こったのか解らなかったので隣にいる蒼に聞いてみた。
「蒼、あの子どうして消えたんだ?」
「蹴られた衝撃で本体の目が覚めたんだろ」
「そういえば…目が覚めたらなんかヤバいのか?」
「寝てるはずの人間がいきなり目を覚ます程の事があったという事だ…夢と現実、体は別々なので目が覚めたらコチラの体は消えるだけだが、脳や心とかいうものは共通のモノらしいからな?」
「だそうだよ…?」
俺は俺に張り付いている少年にそう言った。
そうしているうちにサトコさんとデッドが俺のすぐ後ろまで来ていた。
「部外者の口出しや横やりは話をややこしくさせる可能性があったので少し離れて様子を見させてもらったわ…」
俺は無言でうなずいた。
「あの子…大丈夫なのかな?」
「大丈夫なら目を覚ます事もない!ならば大丈夫じゃないとなるけど、どのぐらい大丈夫じゃないのかは本人にしかわからないわね…あービックリした!あー怖かった!程度ならいいんだけどね…」
サトコさんはそう言うと俺に張り付いている少年に目を向けて続けた。
「大丈夫よって言ってあげたいけど、適当な気休めは言えないのよ?…わかりもしないのに適当な事言ったら彼女に失礼でしょ?…あなたには無事を祈れというぐらいしか言えないわね…」
少年は俺から1歩ほど離れて今にも泣き出しそうに震えていた。
「私には、あなた達のシステムがどんなものかわからないけれど、ここから自力で戻れるのなら今日はもう休んだ方がいいんじゃない?」
サトコさんはかなり淡々とした口調で少年に言った。
少年は黙ってうなずいて服の袖をめくり腕に取り付けられている何かの装置のようなもののボタンを押していた。
淡いグリーンの光が少年を包んだと思ったら少年は消えていった。
(なんだかいっぺんに色んな事があったけど、これで心置きなく外へ行けるって気もするな…?)
「なんか色々ありましたね…」
「そうね…でも結果としては悪くないような気がするわ」
「うん…あいつ少しは反省したのかなぁ…」
「う~ん…やっぱり何か違和感があるんだよね~?」
デッドが俺達より少し離れた所で腕を組んで首を傾げている。
「何が違和感なの?」
サトコさんがニッコリ笑って問い返した。
「どうしてタツヤはサトコに対してだけ敬語みたいなしゃべり方をするんだろうね?」
それを聞いたサトコさんの笑顔がひきつっていた…
(うげっ…まだそんな事考えてたのかよ…(汗))
「それは…最初にそういうしゃべり方してしまって、その後で普通にしゃべるタイミングがなくて…もっと時間が経つにつれて急に変えたら余計おかしいだろうと思えてだな…そのままズルズルと今に至るんだよっ!」
「あ~なるほど…じゃあ今から普通にしゃべります宣言しちゃえばいいんじゃない?」
「なんでわざわざ宣言してやらなきゃならないんだよっ!その方がよっぽど違和感だろうが!」
「私は宣言とかじゃなくても普通に喋ってくれて構わないというか…普通にしゃべってくれたほうが嬉しいけどね?」
そう言ってサトコさんは微妙に怖い微笑みをくれた。
(そうですよね…俺が合わさないと、また怪しまれますよね…(怖))
「まぁ…努力してみます…あ、努力するよ!?」
「期待してるわ(笑)で、前の話しの続きだけど次何処行こうか?」
「俺はもう、この領地から早く出たいかも…領地内にいると、なんか色々疲れます(汗)」
「そうだね~どっかの会社の人とか、さっきみたいな人達が自分の事を見てるかも知れないとか、いつ誰に絡まれるかとか思ったら落ちつかないよね~」
「うん…さっきの連中も被害者では無くて、単に何処かからあの子のやってた事を見てただけの連中みたいだったし…」
「そう言われたら何か落ちつかないわね…とりあえず場所を変えた方がいいかもね?蒼君、お願いできるかしら?」
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