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Dream Quest 本編6

店主は、ますます目を輝かせて続けた。
「でね、夢の世界と言っても、夢なんてのは寝ている時に脳が記憶処理をした時に見えてしまう副産物みたいに言われてるけどね、結局のところ脳ってのは、寝ている時だろうと起きている時だろうと常に微弱な電気信号によって情報を伝達していて、脳に収まっている全てのデーターは電気信号に置き換える事ができると言っても過言ではないんだよ」
「はぁ…なんとなくそんな感じの事を聞いた事があるような…?」
「だからね、今なら身体を切り刻まなくても内部の状態が外からわかるように、外部から脳にアクセスするのだって、そんなに難しい事じゃないという事も言えるんだよ」
「えっ?そんな事が出来るなら、とっくに誰かがやってるのでは?」
「まぁ、今までは脳や夢に着目する企業が皆無だったという事やコストの問題もあるし、脳という人間の体に直接関わる事だからね、どこにどんな影響が出るとも限らないから、単にゲームのハードを作ればいいという程には簡単でもなかったという事になる」
「まぁ、そうなんでしょうね…」
(聞いてる話が、夢物語でした~とかいうオチじゃないだろうな…)
「ああ、それとね、わが社は元々健康機器や能力開発機器とかそういうものを開発販売している会社でね、特に睡眠時の心身の影響に関する研究などもやってて、脳波コントロールのミュージックや映像なんてのも一時期は流行したし、睡眠学習やイメージトレーニング用のゲームソフトから病気治療用のハードやソフトなどかなり色々あるんだけど、その最先端が今回の製品というわけなのさ」
「あそこに飾ってあるのがその商品とやらですか?」
(なんか、健康機器とか最先端がどうのとか、べらぼうに高くて胡散臭い機械売りつけられるんじゃないだろうな?)
店主は、俺の話を聞いて無かったかのように、体を後方にねじって自分の席の右奥の下の方をゴソゴソと探りながら変な電気コードのいっぱい付いた黒くてデカイヘルメットのようなものを出してきた。
繋がったコードの束がガサゴソと音をたてているのが、それなりの重量を感じさせるものだし、いかにも頭にかぶります!と言わんばかりのあのヘルメットは尋常じゃなく、どう見ても、アレを頭にかぶったら良い夢が見れるどころか寝る事もままならなさそうなのである。
しかも、頭部から何本もでている、あの太いコードは寝てるうちに感電死でもしそうなほど、おぞましい本数である。
「えっと…それが、その製品…とかです?」
「これはね…」
店主が悪戯っぽく笑いながら、両手でコードを掴んで広げて見せる。
「さっき言ってたモノの試作品だったんだけど、コストが掛り過ぎたし、見ての通り使い勝手も非常に悪いんだよね」
そういって、自分の頭にすっぽり被せて見せた。
頭にコードだからけのヘルネットを被ったまで人差し指を立ててヘルメットを指さし、あっさりと言ってのけた。
「ちなみに、コレ1台160万円ね」
「えええっ!!?」(どう考えても高すぎるだろっ!)
「それからね…」
そう言うと店主は重そうなヘルメット脱ぎ、元あった場所へ無造作に放り投げて、またゴソゴソと何かを探しているようだったが、探しながら話しだした。
「あ、そっちに陳列されている商品の方は、実はあまり詳しくは知らないんです。
だから、出来れば聞かないでくれるとありがたいんですけどね…もし興味があればパンフレットぐらいはお渡しできますが…」
「いらないですよね?」
そう言うと、探してるのを止めて子供みたいな顔でヒョコっと現れて俺を見たのだった。
俺はいきなり目の前に現れた店主から思わず目をそらして、落ちつきなくキョロキョロと商品を見て何故だか改まって答えていた。
「は、はい!特にいらないかと思います…。(汗)」
(何を改まってるんだ俺は…というか、話ちゃんと聞いてたんだね…てか、店に飾ってある商品の事は良く知らないって、この人やっぱりかなり変かも…(汗))
次の一瞬、店主は探してた物が見つかったのか嬉しそうな顔をして俺の方を向き、手にあるものを見せながら言った。
「それからね…改良に改良を重ねて、ここまでコンパクトにできたんだよ」
店主の手には何のコードもない、あっさりとした金属の腕輪が握られていて、それをテーブルに置いて見せた。
「これが…?さっきのあのヘルメットと同じもの?」
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