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Dream Quest 本編64

12.jpg
その後、俺達は洞窟を進みながら寄ってくるゴキ共を適当に叩き落として誰かが居そうな気配のする方へ急いだ。
走っていると、とても大きく立派な槍を抱えて壁を背に立っている少女が居た。
俺は、またしてもとっさにスリッパを後ろに隠していた。
少女は俺達に気が付いて話しかけてきた。
「あっ!みなさん…私、槍だせましたよ」
そう言いながら立派な槍を両手で握って俺達に見せるように前に立て掛けて嬉しそうに笑っていた。
「よかったわね」
サトコさんは、そう言ったが俺は何も言えず少しニコっとしただけで黙っていた。
「みなさんは?」
そう言って首を傾げる少女に、サトコさんは俺に見せたように自分の武器を胸のあたりに無言で出して見せていた。
少女はそれをみて、そして次に俺を見た。
サトコさんも自分の武器を出したままのポーズで顔だけ俺の方を向けた。
蒼も何故か皆と同じように俺の方をじっと見ていた。
俺は3人の視線が痛かった…
(うわー3人揃って、そんな期待に満ちた目で見ないでくれ~)
俺は仕方なく後ろに回してた手を前に出した。
少女は穴があくほど俺の手にあるスリッパを眺めていた。
俺はきっと大爆笑されるだろうと思っていたが、少女は意外にもクスリともせず真面目な顔で言った。
「みなさん、場所と敵に合わせた武器って感じでいいですよね~私の武器とっても重いですし大き過ぎて動かすと、あっちこっちにガンガンぶつけてしまって、うまく戦えないし、
あっちこっちにぶつかる振動や反動が結構なダメージで…
結局、真ん中ぐらいを持ってペチペチ叩くのが精いっぱいなんです…」
少女は大きなため息をついていた。
「槍が嫌なら捨ててもいいのよ?あなたは、それを持っている限り武器としては常にソレが優先されてソレしか出す事も使う事も出来ないと思う。
私達は常に1から自作しなければいけないけど、そのかわりイメージによって武器を変える事ができるわ」
サトコさんがそう言うと、少女は取られそうになった人形を抱きしめるかのように槍を抱きしめた。
「私は槍でないと駄目なんです…だって私はアテナですから」
そう言いながら少女は、思いつめたような目をした。
「あなたの好みや事情に口を出す気は無いの!ただ知識として知っておいてというだけ。
それにあなたの武器は他にもあるのだしね?」
サトコさんがそう言うと少女は黙ってうなずいた。
俺は、なんとなく二人の会話を聞き流し、デッドの気配を探してみたが全くわからなかった。
気配と言っても音や声がする方向というだけのものだが音らしい音は何も聞こえてこないのだ。
「なんか静かですよね?」
「そういえばそうね…」
「ゴキ軍団にやられちゃったんでしょうか?」
「さすがに、それは無いと思うけど…」
「蒼、デッドは?」
「普通に生きてるが?」
「俺はどこ?って聞いたつもりなんだけど?」
「だったらどこ?まで言ってもらわないとわからんぞ?」
「今度から気を付けるよっ!」
俺には蒼が真面目に返答してるのか良く分からない時がある。
恐らく全部真面目に言ってるんだろうとは思うが正直たまにイラッとさせられる。
「お二人はとっても仲良しなんですね」
少女は尊敬のまなざしで俺の顔を下から覗きこむように見ていた。
「えっ?」
俺は少女が何を言ってるのかよくわからずにいた。
「ガイドが蒼君みたいに感情豊かなのは稀で珍しいのよ?」
サトコさんは通りすがりの独り言のように俺にしか聞こえない程の小さい声でボソっと言いながら俺の横を足早に通り抜けて行きクルリと振り返って
「早く行きましょ」
と笑った。
(前も似たような話を聞いたような気がする…言いたい事言って、ぶつかって、イラついて、それは普通のガイドを持つ人から見たら、羨ましい光景なのかな?)
俺は少女の方を見て
「そうなのかな?」
と少し首を傾げて笑いながら答えた。
「そうですよっ!?私もがんばろっ」
少女はニコっと笑って小さくガッツポーズをした後サトコさんの隣まで走って行った。
俺は何となくモヤモヤしてたのが消えたような気分になって自然と蒼の隣に行っていた。
蒼は寄ってくるゴキを手で払いのけていた。
むしろ、払い除けてくれていたと言うべきかも知れない。
蒼にとっては単に仕事とか役目とか、そうするようにプログラミングされているだけ…というものなのかも知れない、だけど俺にはそんな事はどうでもよくて、当たり前になりつつある、この時間や空間が何となく心地よく感じていた。
暫く行くと少し広い場所に出た。
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