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Dream Quest 本編62

「そろそろ集まってきたかな」
サトコさんがそう言うと目に前の暗がりの中に数え切れないほど無数に黄色い目らしきものが光っていた。
「なんか物凄い数いるような?」
「黄色い目の絨毯みたいだね~」
デッドは軽いと言うか、どこか天然が入ってるような気もするが、それでも怖いと言わないのは実は凄い奴なのかもしれない。
良く見ると長い触角がせわしなく上下左右へと動いている。
洞窟の奥が暗いと感じたのは間違いではないが、なによりソイツらの身体がやたら黒かった。
「そろそろ動くよ」
少女は、ほとんど言葉も出来ずに足をガクガクさせて後ずさりした。
次の瞬間ソレは一斉にあらゆる方向へ飛んだり走ったりしながらコチラに向かってきた。
「あわわ…ゴ、ゴキブリ!?」
「最初は逃げて避けて!頑張って追い詰められてね!あ、手で戦える人は手を使ってもいいけど手に頼らないでね」
「手で払うって言ったってコイツら便所の蓋ぐらい大きいですよ~(汗)」
「それでも外の奴よりは全然小さいでしょ?でも数は半端無いからエサにならないように気を付けてね(笑)」
「きゃああ」
少女の叫び声に思わず身体が反応して走り出しそうになる。
「アテナさん大丈夫?」
みんなバラバラに逃げ回ってアッチコッチに散ってしまったようで、そこそこ大きな声を
出さないと聞こえなさそうな距離ほど離れてしまっただろうか。
「はいっ、なんとか大丈夫ですっ」
大丈夫じゃないと返事されても俺に助けに行く余裕はなかった。
ゴキ共は払っても避けても走っても、ただどんどん数が増えていくように感じた。
このままコイツらに埋め尽くされて周りが黒一色の闇に閉ざされるような気さえしてくる。
俺はコイツらに喰い尽されて白骨になって転がってる自分の姿を想像して思わずゾッとした。
その時、何か大きくて柔らかいものにぶつかった。
その感触は、おそらく人と当たったものだと思えた俺は、なんとなくホッとして横を向きソレに目をやった。
「蒼?オマエこんな所でなにしてるんだ?」
「何もやる事が無くて困っている…」
そう言って突っ立っている蒼の身体にも頭にもゴキブリが張り付いているが蒼はソレを振り払う事さえせずにじっとしていた。
「蒼、ちょっと武器出して見せてくれない?」
俺は絡みついてくるゴキ共を手で払いのけながら言ってみた。
蒼は黙って俺の前に手を出して、まるでそこに武器があるかのように空中を掴んで手を軽く握ってみせた。
次の瞬間…ソレは元からそこにあって、ただ見えていなかっただけのように姿を現したのだった。
俺は顔などにも容赦なく飛びかかってくるゴキ共を腕を大きく振って一気に払いのけた。
とりあえず、まとわりついていた奴らを全部払った次の瞬間、俺は蒼の真似をして手で
何かを握る動作をしてみた。
一瞬、何かを本当に掴んでいるような感触があった気がした。
(今、何か手の中に感触が?)
それを直ぐに思いだそうとしたけれど、ゴキ共は俺が思いだすのを悠長に待っててはくれなかった。
(くそ、もうちょっとだったのに…コイツらめ…(怒))
俺は上半身に張り付いてくる奴らを腕で払いのけたら、顔の方に向かって飛んできた奴を手に渾身の力を込めてたたき落とした。
ソイツは俺の手に当たる前に思いっきり地面に叩きつけられて消えていった…
俺は何かを確かに握っている感触があった。
俺は恐る恐る手に掴んでるモノを見てみた。
(こ、これは…)
蒼も全身にゴキブリを貼り付けたまま俺の手の中のモノを覗いてきた。
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