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Dream Quest 本編57

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ピッピ、ピッピ、ピッピ
目ざまし時計の鳴り響く音が聞こえる。
ピピピピピピ・・・ピッ!
俺は手を伸ばして目ざましを止める。
(あ~もううるさい…はっ!今日からまた仕事だっ!)
俺はベッドからガバっと起きて、いそいそと仕事へ行く準備をする。
準備と言っても別に背広やスーツを着て行くような仕事では無いので、さほど時間はかからない。
髪も思いっきり寝ぐせです!と見るからに主張している奴がいなければ、とりあえず全体にブラシが通ったらそれでよし!であるし見た目なんて外で、こっそり指を刺されて影で失笑されるような事さえなければいいのだ。
「こんなもんかな」
洗面所の鏡に映る顔や服に、おかしい場所が無いか一通りチェックしたら、後は部屋に戻りカバンを掴んで出掛けるだけだ。
さて、とりあえず、バリバリ働いて、さっさと終えて、さっさと帰って、さっさと飯食って、さっさと寝たら今日も元気に出発だな!
(あ~なんか家帰って寝るのが楽しみになってきたかも)

俺は、今までの夜更かし癖は何だったんだ?というほど、やたらと早く寝るようになっていた。
そして俺は既に夢の中の自室にいる。
しかし相変わらず変な言葉で最初のマニュアル通りの読み上げを復唱する蒼に、いい加減イラッとしてしまったのは言うまでも無い…
「蒼、いい加減そのマニュアル?消すか変更するというのは出来ないの?」
俺は端末を触りながら蒼に尋ねた。
「自分が夢を見始めたという自覚が毎回々必ずあるとは限らんのだからな?」
「寝る前に機械装着して、わざわざここに来るんだから嫌でも思いだすだろ?」
「適当に楽しい夢を毎日色々と見れたらいい程度の奴なら夢への思い入れが少ないので肝心な事ほど忘れやすいものだ」
「ふーん、そういうもん?しっかしサトコさん、色々触って内容を変更したなら、こういう面倒臭い仕様を全部消してくれればよかったのにな~ブツブツ」
「それほど言うなら消してやろうか?それでもし忘れたりしたら…ご丁寧な案内は出来ないので、ぶん殴って思いださせる事になるからな?」
「えっ…ああ、うん…あの無意味なご案内をダラダラ聞くよりも殴られてパッと思い出す方がまだいいな…あっ、そうだサトコさんさ、ここのクローゼットから服だして着替えたんだよね?
で…クローゼットって何処よ?(汗)」
「そこの端末の、お部屋のインテリアと機能というのに今使えるものが出て来る!
そんな事よりモニターへの最新情報とかチェックしとけよ!」
「えっ?情報は蒼がもらってきてるんだろ?」
(おっ!服はこれか?)
「モニターへの情報とガイドへの情報は別物だ!特に昨日の事件に関して何か出ているか?」
「えっと、モニターの皆さまへ…を見ればいいのか?
なになに…中世ヨーロッパに建てられた本物のお城を再現したエリアが出来ました。
メイドや執事など本格的な使用人も大勢揃って城主様をお待ちして…
これは違うな…(汗)
お、これかな?モニターの皆さまへの注意事項と新サービス(重要)
ショップと出会いの広場以外のエリアは、わが社の占有スペースではない事を最初にご説明させて頂きましたが、占有スペースではないという事は外部から侵入する事が可能なエリアという事です。
外部からの来訪者は必ずしも良識や常識を持っているとは限りませんのでガイドを連れていない見知らぬ人物が居る場合は出来る限り接触しようと思わずに、その場から速やかに離れる事をお薦めします。
もしモニター様の独断で外部者と接触した結果、何か問題が起きたとしても当社は対応し兼ねますのでご了承ください。
なお、他者との接触で酷く気分を害されたなどがあれば、その時の夢の記憶を消去するサービスを開始しましたので必要な場合はガイドの方へお申し付けください。またガイドの状態チェックサービスも始めましたので、ガイドが正常に機能しているか知りたい方は広場エリアのホスピタルへお越しください。…だってさ?」
「そうか…」
「そうかって、蒼の方はどんな内容なんだよ?」
「好戦的な部外者と遭遇して戦闘などになった場合、その日のその出来事に関するモニターの記憶を抹消せよ!」
「なんだよそれ!?」
「普通は夢を忘れてしまう事より夢をずっと覚えてる事の方が遥かに珍しい事なのだからな…故意に消してしまっても特に問題は無いといえる」
(なんだよそれ…それが最良の方法?だれも嫌な思いをしなかった事になるから?
襲われる度に忘れさせられるのか?…それって馬鹿みたいじゃね?)
「俺が例の奴に襲われたら蒼は俺の記憶を消すのか?それは社からの命令プログラムか何かで実行されるのか?」
「俺様には社からの命令も足枷も何も無い。とりあえずはアイツがその権限や制限を全部外してくれたおかげでな?記憶はタツヤが消してほしいと望むなら、いつでも消してやれるが?」
俺は何故だかムキになっていた。
「いいか!俺が苦しんでようが、泣き叫んでようが、何だろうが…無断で記憶を消すのは絶対に許さない!
俺が寝て覚めたら、すっかり夢の事など忘れていたとしてもだ!」
「了解したぜ、ご主人様(笑)」
「な、なんだよそれ」
俺は自分で言っておきながら、あっさり承諾してニヤッと笑う蒼を見た途端、少し恥ずかしい気持ちになっていた。
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