スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Dream Quest 本編53

「たぶん…距離にも限度とかあると思うし、聞こえてるって言っても何処の誰の事なのかは僕が自分で見て確認しないとわからない事だよ?
何が聞こえてて何ならば聞こえてないのか僕にもわからないから説明できないよ…
聞こえたか?って聞かれても、僕には、どの話がそうだったの?って聞き返したいぐらいだよ!でも、お姉さん達の誰の名前にも聞き覚えなんて無いから名前とか普通に呼びあってたなら僕には聞こえてないと思うよ?
なんでもかんでも全部聞こえてるわけじゃなくて、たぶん聞こえてくるのは、ほんの一部なんだと思うけど…どういう基準なのかは僕は本当に知らないし僕自身が選べるわけでもないんだ…」
そう言い終わると青年はまた下を向いて、そしてちらっとサトコさんを見た。
「そう、話してくれてありがとう…所で、今も何か聞こえてるの?」
「え?いや…特に何もないけど?」
サトコさんは、それを聞いて何も言わずニッコリと笑っただけだった。
青年は、そんなサトコさんを見て少し頬を赤くして下を向いた。
俺は、二人のやりとりをただ見ていた。
(サトコさん、あの容姿は色々と都合がいいと言ってたけど、健全な青少年には罪つくりだよな(苦笑)でも、あの様子からみてサトコさんが仮面男と同一人物だと思ってるとは考えにくいよな?)
「さてと」
サトコさんは、陽気に向きを変えて少女の方を向いた。
「アテナさん?少し待たせちゃったけど、あなたは、もう休んだ方がいいわ」
「えっ?休むって…私どうしたらいかわからないです…」
「いつもはどうしてるの?」
「わかりません…気が付いたら本当に眠ってしまってて朝になってて目が覚めて…」
「起きた時、ここの事覚えてる?」
「いつも同じ場所で同じ事しかしてないので何となくは覚えてます」
サトコさんは口元に手を当てて何か考えてるような素振りで小声でブツブツ言っている。
「ガイドお任せ設定って事よね…それなら…」
サトコさんは彼女に何か説明してるようだ。
「じゃあ、それでやってみて」
「あ、はい…」
少女は、ガイドを抱えてガイドの耳元で何度も囁いた。
「ビクトリア聞こえる?私達…今日はもう休みましょう。
私も、少しゆっくり眠りたいの…ビクトリア聞こえる?」
ガイドの少女はゆっくりと目を開けて微かな声で答えた。
「了解しました、アテナ様…」
そう言うとガイドの少女はまた目を閉じてしまったけど、それからすぐに二人の姿は白い光と共にかき消えてしまった。
(なんか消えちゃったよ…?)
「サトコさん、あの二人どこに消えたんです?」
「消えたんじゃないわ、通常の睡眠…すなわち現実に戻っただけよ?タツヤ君も寝る時は、ああなるのよ?」
「俺もあんな風なんですか…」
「へぇ…なんかいいもの見ちゃったかも…」
青年は、そう言いながら、いきなり俺の方を向いた。
「君ももう寝た方がいいんじゃないの?明日は学校でしょ?」
そして、何故か俺に慣れ慣れしく語りかけてきやがった…
(なんで、オマエに君呼ばわりされなきゃならんのだ!?しかも学校だと!?俺は会社員だぞ?オマエより確実に年上だぞ?何考えてやがるんだ?)
「俺は学校なんざ何年も前に卒業して、今では酒もたばこも夜更かしも堂々とできる歳なんだが?オマエこそ子供は寝る時間だろう?」
「えっ?君僕より年上なの?てっきり同じぐらいの歳だと思ってたよ~」
(そもそも、何歳差までを同じぐらいと言っていいんだろうな?いや、たとえ1歳しか違わなくても成人式を終えてるのと未成年では天と地ほどの差があるものだろう?
そんな事より俺がコイツに子供っぽく見られてるという事の方が重大かもな?やっぱり、こういう変な余裕と軽さのある奴は苦手だ…)
「俺が起きてたら何かオマエに都合の悪い事でもあるのか?」
俺は、大人の余裕を見せながら?ちょっと意地悪く聞いてみた。
「別に都合とかはないさ~親切のつもりだったんだけどな~」
そう言いながら彼はサトコさんをちらっと横目で見た
(はは~ん、そういう事なのか?(笑))
その時サトコさんが話しに割り込んできた。
「そういえば、あなたと私だって同じぐらいの歳のはずだけど、どうして私はお姉さんなわけ?」
「え?なんか凄くしっかりしてるし、それに…あの人は、あなたをさん付けで呼んでて、
所々丁寧に話すし、あなたはあの人を君付けで呼んで、普通にタメ口だからかなぁ?」
俺は一瞬ギクっとした。
たぶんサトコさんも同じように感じたんじゃないかと思った。
しかし人の素直な感性ってのは時にこちらが意図しないような部分をズバッと突いてくるものである。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。