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Dream Quest 本編51

サトコさんは少女達の前に座りこんで話を始めた。
「あなたがアテナさん?身体は大丈夫?」
「あ、はい、私は大丈夫ですけどビクトリアが…」
「蒼君、お願いできる?」
サトコさんがそう言うと蒼はガイドの少女の額あたりに手を乗せていた。
「データーの破損は無さそだ、放っておいても自己修復できるだろう」
俺はその様子をじっと見ながらいささか不謹慎な事を考えていた。
(ああいう事もわかるんだ…しかしアテナにビクトリアって何処かの神様の名前だっけ?自分にそんな名をつけて人前で平然とそういう名前で呼べるって、やっぱ若いんだなぁ…
それに俺この子達の事特に心配とかしてないよな…ひょっとして俺って平気で人を見捨てられる冷たい人間だったんかな…)
「あのっ、助けて頂いて有難うございました」
少女は何ともないと言いながらも全身傷だらけで泥だらけだった。
少女のお礼を聞いて俺は何となく、助けなきゃいけないとか思ったわけじゃない事に複雑な気持ちになった。
サトコさんが、こういうのに知らん顔して通り過ぎるような人じゃ無くてよかったように思う。
俺は、そんな気持ちになっていた。
「これって、虫にやられたわけじゃないわよね?何があったの?」
「えっと、知らない男の子が…オマエのガーディアンは強い?って聞いてきて、私意味が分からなくて黙ってたら、俺のガーディアンとどっちが強いかやってみようとか、そんな事言ってて、私はそんなの承諾してないのに、いきなり向こうのガイド?がビクトリアに襲いかかってきて、なんか一方的にやられちゃって…そしたら負けた罰として虫の刑だとか言って、何したのかはわからないけど沢山の虫が私を追いかけて来て…」
そう言うと少女の目からじわっと涙があふれてきた。
「相手の特徴は覚えてる?」
サトコさんの問いかけに少女は何度も目をこするように涙をぬぐって答えた。
「小学生かな?メガネの賢そうな少年で、なんかアニメに出てくるような女の子のロボットみたいなのを連れていて、ガーディアンとか言ってました…」
「なるほどね…結構厄介ね」
サトコさんは、顔をあげて暫く考えを巡らせているようだったが、さっぱりわからないという感じではなく、なにか思い当たることがあるような感じだった。
「今日の事はガイドから社の方へ報告が行くと思うけど、それで社が何か手を打ってくれるとかはあまり期待できそうもないわね」
俺はサトコさんの話を聞いてなんだか腑に落ちない気分だった
(どういう事だ?不快な事や迷惑行為排除や危険回避が最優先されるんじゃなかったのか…?)
そうしていると後ろの方でバサバサという羽音が聞こえた。
どうやら例の青年が予告通り戻ってきたようだ。
青年はドラゴンから飛び降りたら軽く走りながら、まるで普段の定位置であるかのように何食わぬ顔でサトコさんの横に来たのだった。
(何なんだよ、コイツは…)
ドラゴン、彼が下りた後、少し後方の茂みに中に降りていった。
「向こうでもやっぱりその子と同じだったみたいだね~」
割と軽々しく見てきた事を言う青年に対して、サトコさんは少しキツイ感じの口調で尋ねた。
「それは本人から聞いたの?」
「直接会話はしてないよ?」
「全くの部外者であるあなたが何に襲われたのかなんていうのが、本人に聞かなくてもわかるの?」
青年は意外にも少し真面目な顔つきをして、ボソっと告げた。
「僕は今日初めて見たわけじゃないからね…もう何人も同じように襲われてるのを見てる。
だから今日のも同じ奴にられたんだなと思った」
「なっ…いつも?何回も見てるの?それで見てただけなのっ?」
サトコさんは、怒鳴るほどの大声ではなかったけど明らかにキツイ口調で言った。
青年もさすがにムカっとした感じの顔になったけど、それでも何故だか静かに目伏せてサトコさんに言った。
「君は、現実でヤクザとか不良に襲われてる人を助けに行くの?行けるの?見て見ぬ振りするんじゃないの?僕もそうしただけだよ?遊びとは言え彼の兵器は相当強いからね?行けば無傷で済まないかも知れないんだよ?無謀と勇気は違うんだよね?僕は無謀はしない!それは誰かから責められて当然の事なの?」
サトコさんは彼の言葉を悟ったかのように神妙な顔つきに戻った
「そうね、あなたは悪くない…責めるような事言ってごめんなさいね」
(そうか…そうだよな…)
俺は青年の事を軽くて調子良くてヘタレな野郎だと思っていたけれど、彼の言葉を聞いたら自分も大差ないと考えさせられた。
サトコさんは少し下を向いたまま何だか怖い顔して蒼に語りかけた。
「蒼君、この事知ってた?」
「ガイドが襲われる事件?社からは、そんな事があるという情報も注意も警告も指示も一切ないが?」
それを聞いて青年は少し首を傾げてから、何かを思い出したように話し始めた。
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