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Dream Quest 本編46

蒼は蚤に負けないほど何度かジャンプしてあっという間に蚤の所に到達してた。
(すごいな…本当に崖を掛け登る狼みたいだ…)
俺は蚤のすぐ横を通り抜けるように走りながら身をかがめて後方の1匹の足を蹴り上げた。
蚤は簡単に仰向けに転んだ。
(よしっ腹ががらあきだ!)
俺は飛びあがって両手をめいっぱい振りあげた後、蚤の腹めがけて思いっきり振りおろした。
「どぅん!」
重く鈍い音がしたが致命傷には至らなかった。
(まだかっ…意外としぶといんだな)
サトコさんは女の子の所に行き、女の子の手を引いて後方の岩陰に連れて行った。
恐らく、隠れてろか休んでろという所だと思う。
蒼は、斬ってると言うよりは叩いてると言う感じに見えるけど、それでも1発当てるごとに蚤はかき消すように消えてゆく。
(いいなぁ…武器…俺も欲しいっ!)
「タツヤっ!1匹飛んでるぞ!!」
蒼は俺の方など見ていないはずなのに怒鳴るように叫んだ。
俺はとっさに上を見上げた。
「うわぁ」
上から岩でも落ちてくるかのような巨体を、俺は横に飛んで避けるのが精いっぱいだった。
(あぶねー潰される所だったよ…)
俺は地面に這いつくばるような格好で立ち上がろうとしてたが、飛んで落ちてきた奴は直ぐに方向を変えて覆いかぶさってきた。
俺は、そのまま仰向けになり覆いかぶさるそいつの腹を思いっきり蹴飛ばした。
そいつの全ての動作が止まると同時にそいつは粉のように散りながら静かに消えていった。
(やったぁ!1匹倒した!!残り後1匹…)
残りのやつを見た瞬間、ソレは俺に向かって高く飛びあがっていた。
「うぉっ!」
(また飛んだ!どこに降りてくるんだ?)
俺はどっち方向に逃げようか迷い動くタイミングを逃して動けなくなり落ちてくる蚤を見ていた。
(やばいぞ…)
次の瞬間、蚤は俺の頭のすぐ上で何かが背中から腹に貫通して串刺しになり、そして静かに消えたのだった。
(ひぇ~助かった…)
その時、消えた蚤の背後から何か落ちてきた。
俺は一瞬ドキッとしたが、とっさに見覚えのあるソレを抱きかかえていた。
落ちてきたのは少女のガイドだった。
蚤にトドメを指して力尽きたような感じだ…
「おい大丈夫か?」
ガイドは俺を見ようともせず、そして答えようともせず、ただ俺の手を振り払うように地面に降りて蚤を貫いた大きな槍のような武器を引きずりながら、無言で歩きはじめた。
「おい!」
(ご主人様の所に行こうとしてるのか?自分の事も他の事もどうでもいいのか?あ~もうしょうがないなぁ…)
俺はガイドの少女の腰の部分を抱えて走りだした。
大きな岩陰までいくと、サトコさんと少女がいた。
岩を背に座っていた少女は俺の抱えてるものを見た途端、泣いて叫びながら走ってきた。
「ビクトリア!ビクトリアっ!」
少女は、ガイドの少女に何度も呼びかけていた。
そのたびにガイドは薄らと目を開けて、ほんの少し笑うような顔をした。
サコトさんも少女の隣で心配そうにガイドに触れていた。
「恐らく外傷だけだと思うので大丈夫よ…」
そういうと蒼の方をチラリと見た。
(恐らく?今のサトコさんにはガイドの状態が全て解るわけじゃないんだろうな…)
蒼はサトコさんの視線を感じたらしいけど、全然あさっての方向を見ながら武器を構えて低くて小さい声で
「そいつは後だ!向こうの陰に怪しい奴がいる」
そう言うと、そこに向かって走って行った。
俺とサトコさんは、少女を庇うように少女を背にして立ち上がり直ぐそばの茂みを見ていた。
「ちょっと、ちょっと、何なの!?危ないなぁ~」
「そこで何してる?」
「何もしてないよ~」
「とりあえず向こうで話を聞かせてもらう、歩け!」
何となく若くて軽そうな男の声と蒼の低い声が聞こえた。
後頭部に蒼に刀を突き立てられて降参のポーズのように両手を大きく挙げた青年が、茂みの中からしぶしぶこちらに歩いて来た。
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