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Dream Quest 本編35

年代物のようなアンティークなソファとテーブルがあり重厚なカーテンと敷物が、昼間なのに夕方のような色調を醸し出している。
「少しそこに座って待っててくれるかな?」
「あ、はい」
店主はすぐに部屋を出て行った。
俺は、ソファに座り何となく落ち付いていた。
疑ってた事とか勝手な妄想とか既にどうでも良くなってて、なんか本日のミッションコンプリート!な感じの気分だった。
「では、これで失礼します!」
「はい、どうも御苦労さま」
玄関先で挨拶が交わされて、運送屋は帰ったようだ。
「ごめんね、お待たせ」
ドアを開けて身体を斜めに傾けている姿が何故だか可愛らしい女の子のように見えてしまって、俺は一瞬、自分の目を疑い顔が熱くなりそうになったが何とか平静を保つ事が出来た。
そもそも、なんか意気込んで家を飛び出して、何も考えずここまで来て、そして実際に会えたものの何を話せばいいのかなんて、内容は全然まとまってなどいなかったのだ。
店主は俺の向かい側に座って優しく微笑んで俺に尋ねた。

「話しがあるんだよね?」
(うっ…何を言おうと思ってたんだ?製品がインチキかどうか確かめる?いや、いきなりそんなストレートな話しじゃなくて…とにかく、何か言わないと…)
「あのっ…例の機械、昨夜試したはずなんですが、俺覚えてないし何が何だかわからなくなって…」
「全覚えてない?思いだす感じも無い?」
「はい…さっぱり…」
「う~ん。覚えたまま目覚める設定にも出来無くは無いのだけど…あれはね…自分の脳の記憶整理がたまたま見せるような普段寝てる時に見てた夢とは少し違って、ある意味、新たな体験や記憶として認識してしまう事も多いんだよ。
そうなると現実の自分が現実の記憶を持ち、なお且つ夢世界の自分の記憶の両方を同時に持った状態になるわけで、まぁ、人は会社に居る時の自分、家に居る時の自分、一人の時の自分など【別の場所で微妙に違うそれぞれの自分の記憶】を正しく整理して使いわけられる生き物ではあるけど現実の記憶と非現実の記憶は、慣れないと記憶の混同や混乱が起きて大変危険だと言われているんだ。
夢だけに限定された話では無く、想像や空想や妄想に思い込み、ゲームやTV、映画、本など…非現実なものの影響を受け過ぎて、それらを実際の記憶だと誤認識してしまうだけで、現実に悪影響を及ぼす場合もあるからね。
だからなるべく、普段の夢のように自然に目が覚めたら覚えてない!になるように設定されているんだよ」
(相変わらず難しい話だな…ゲームやアニメが規制された理由と似たような感じだろうか?でも、夢から悪影響ってのは聞いた事無いけどなぁ…)
「ああ夢か~ってわかれば特に問題無いように思えるんですが?」
「他愛のない夢だったらね…でも、記憶にいつまでも残るような強烈な夢だったら、現実に支障をきたす要因にもなり得るからね…他にも色々あるしね」
おそらく店主の頭の中には俺に言っても理解不能な色々なあれやこれやが沢山あるのだろうと思う。
「あの…もう思いだせないんでしょうか?」
「大丈夫だよ。覚えてないと言っても記憶から消去されたわけではなくて、重要度の順位が低いから思いだし難いだけで、何かの拍子に思い出す事もあるし、装置付けてガイドと話せば思いだせるはずだよ。蒼君とは、まだ話してないんだね?」
「蒼…君って?」
「タツヤ君のガイドさん!」
そういうと、店主は組んだ指をあごの下に当てながら今までとは少し違った笑顔でニッコリ笑って俺を見つめた。
(ガイドはちゃんといたのか!?この話からすると、この人とも会ってるんだろうな…?じゃあ、やっぱりあの布を丸めた生き物?がガイド?(汗))
俺は見つめられて、ちょっと恥ずかしい気分になったが、それよりも、ガイドとやらが、どう思い出してもさっき見た布団子の事しか思い浮かばなかった。
「ガイドって…あの布団子虫みたいな奴ですか?」
「布団子虫????」
店主の方は、布団子の方がよくわからないようだった。
「ひょっとして、あのガイド機器が壊れてるんでしょうか?それとも俺の使い方が間違ってたのかな…あ、装置をつけて無かったからとか?」
店主は、しばらく片手をあごに当てて考えていたが何かわかったように切りだした。
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