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Dream Quest 本編27

目の前に広がっていたのは、何処かの異国の町の公園ような景色だった。
レンガ色した石畳の道と円形の花壇、道の両端には何か店のようなものがズラリと並んでいる。
どこかのショッピングモールのような感じで、大勢の人がうごめいている。
俺が、見た感想をつぶやきそうになった次の一瞬
「へぇ、意外と良い感じに出来上がっているんだね」
初めて見る場所でもあるかのようにボソっとつぶやいたのは意外にもサトコさんだった。
「えっ?初めてみるわけでもないでしょうに?」
何気なく冗談めかしに答えた俺だったが
「えっ?ここに来たのは初めてよ?」
至って真面目な顔であっさり答えるサトコさんに俺は思わず飛び上がりそうに大声を出していた。
「えええーっ!!???」
次の一瞬、周りに居た人や歩いていた人、話しをしていた人、案内のガイドらしき人までが一斉に俺の方を見ていた。
「ちょっ!?」
「おまっ!!」
サトコさんと蒼は、ほぼ同時ぐらいに短い声をあげ、次の一瞬で俺は二人に口をふさがれ腕を掴まれて店のある通りとは逆方向の緑の木の沢山ある方へひたすら引きずられるように連れて行かれたのだった。
とりあえず全速で走り、大きな木の後ろに回り込んで3人で座りこんだ。
俺は蒼に口をふさがれ抱えられるような格好になっていた。
サトコさんは、木の後に隠れながら、今まで居た辺りをじっと見ていた。
「たぶん大丈夫みたい…」
サトコさんがそう言うと、蒼は俺を押さえつけていた手を緩めた。
「ここは誰もが居心地の良い場所でなければならないから
迷惑行為や悪ふざけなどには厳しいって言わなかったっけ?」
「いや…すいません、あまりにもびっくりしたので…」
「えっ?何故驚くの?」
「だってはじめてって…」
俺が言おうとした時に、蒼が割り込んできた。
「初めて来た場所だとぉ?さっき部屋でオマ…」
サトコさんは、相変わらずキョトンとしていた。
「大きな声は出さないでね」
そう言うと、蒼の口を手でふさいで話しを続けた。
「あのね?社員は、一般人と仲良く一緒に行動しない!してはいけない規則だと言ったでしょ?こんな一般用に作られたコミュニティな場所に来るはずないじゃない?」
サトコさんは、俺達が驚いたり怒ったりしている理由がいまいちよくわかっていないような感じだ。
蒼は、明らかに怒ってるようにサトコさんの顔のすぐ近くまで自分の顔を突き合わせて、それでも低く至って小声で言った。
「オマエ、さっきこの場所を熟知しているように俺様に説教してたんだぞ?」
「そりゃ、ここの場所と設定を作るスタッフの一人だったんだから、どういうシステムになっているのかは知ってるわよ?ついでに言っておくと…」
サトコさんがそう言い掛けた時
「ついではもういいっ!と、とにかくだ!タツヤもオマエも、ここを無事出るまでとにかく目立つな!はしゃぐな!ウロウロするな!町に警備システムが無くても迷惑なモニターがいれば、他人のガイドでも通報はできるんだからな!」
蒼は、遠足の引率の先生のようにブツブツ言っている。
「わ、わかったよ」
「私も、マークされると面倒だからね」
俺とサトコさんは、お互いに顔を合わせて確認するように返事をした。
3人で立ちあがって、服についた枯れ葉などを払いながら俺はふと、サトコさんに目をやっていた。
なんとなくさっきから何か違和感をを感じるのだ。
(何だろう?さっきとは何かが違うような…?)
「あ!…っ」
俺が、またしても叫びそうになった瞬間、2人が飛びかかるように俺の口をふさいだ。
「こ、今度は何?」
「おいっ!」
二人同時に俺を睨みつけながら抑えつけられてしまった。
「ご、ごめ…」
ふさがれたままの口で、なんとか返事をして大丈夫だからという意思表示に二人の肩に手を当ててポンポンと軽く叩いて見せた。
「さ、サトコさんの服が…さっきと違うから…思わず…」
部屋では確かに学生服だったのに、今はミニスカートとズボンを一緒にはいているかのような大人びた(?)服装になっていたのだ。
「コイツの服が変わると、タツヤは叫ぶのか?」
冗談なのか真面目なのかわからない蒼の問いかけになんと答えようか返事を迷っていた。
(言われてみれば、服が変わっただけで叫ぶのは変だよな?何で俺、叫びそうになったんだっけ?いつ着替えたのか解らない程の変わり身の早さに驚いたんだよな?
いやまて…誰がいつどんな早さで着替えようが、俺に驚かれる筋合いは無いというものか?ん?)
「部屋で蒼君に、そんな恰好で行く気か!と言われた時に、私も必要以上に目立つのは得策では無いなって思ったのよ、だから蒼君が扉を開けてる間にタツヤ君のクローゼットから服を出して着替えたのよ?」
ちょっと照れたように笑うサトコさんに、蒼は呆れたような顔をしてそれ以上は何も言わずに一人歩きだした。
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