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Dream Quest 本編24

「・・・であるから、注意するように!とりあえず以上だ!何か質問はあるか?」
やっと長い長い蒼の話しが終わったようだ。
質問と言われても、殆ど聞いてはいなかったので黙って首を横に振り女性の方へ目を向けた。
女性は、端末を触って何かやっていた。
聞いてもいいのかどうか…というより聞いて解るような事である気がしないので、ただ見ていたが端末を触りながらも周りの様子は把握しているようで、こちらを見もせずに軽やかなな調子で聞いてきた。
「蒼君のお仕事は終わったかな?」
「のようです。えっと…」
「こっちも、もう終わるよ。後はこれでよしっと!」
何かのキーを押して、くるりと振りかえり色々と手早く進めてくれているらしい。
「じゃあ、ここでの確認と最終チェックするわね」
何となく蒼は、自分の仕事を取られたかのように余り女性を見ようとしないし、会話にも入ろうとせず下を向いている事が多かった。
「あの~俺も聞きたい事が…」
かなり前から色々と気になっていたんだが、何となく聞けずにいたので今のうちに聞いておこうと思った。
「えっと、あなたは何と呼べばいいのです?それと…」
「きゃぁ!私ったら、肝心な事を忘れていたわ!
自分の名前…考えて無かったわ…」
そう言うと、女性は頭に両手を当てて、下を向いた。
少しは考えたようだが、それでも即答した。
「サトコ!」
「えっ?サトコ…さんでいいのかな?」
「そそ!私、本名は聡(さとし)っていうの、だからね!えっと、君はー」
「俺は、タツヤです。向こうのは蒼(アオ)」
「タツヤ君に、蒼君だったわね。オーケー他に聞きたい事あった?」
「なんで、その…若い女性になっているのかなとか…(苦笑)」
俺は、個人の趣味の理由を聞いたり、或いは女性に歳でも聞くかのような複雑な気持ちも多少あったが、世界規模の陰謀や事情よりも、目の前の事情の方がおおいに気になってしまったのだった。
「ああ、これか~これはね、まず、元の姿のままの自分と言うのは会社に知られているし、会社に内緒で夢の中を探索し、なお且つ社外の人間と行動を共にする事は絶対にバレてはいけない秘密事項なわけ!
だから、できれば似てるとかでもなく元の私を想像もできないような全然別の存在になる必要があったのよ!
それと、若い女の子なら相手も油断するだろうし時には、色々と便利な事もあるかな~とね!」
「色々と便利?」
俺は、非力で若い女の子が色々と便利と言うのがいまいち直ぐに理解できずにいた。
(どちらかといえば、足手まといになる方が多いような気がするけどな?)
すると、サトコさんは、ずいっと俺の顔に自分の顔を近づけて俺の頬にそっと手を当てて、息を吹きかけるように囁いてみせた。
「じゃあ、タツヤ君で試してみようか?どうなるかなぁ?」
サトコさんは悪戯っぽくて何処か妖艶な声で俺の顔のすぐ前まで顔を近づけた。
俺はサトコさんの言葉の意味をすぐさま理解して顔が熱くなって、とっさに後ろに数歩下がってしまった。
「もうわかったよね?」
まるで本当の女の子のように、口に手を当ててクスクス笑うサトコさんに対して、俺は真っ赤な顔で無言で何度もうなずいていた。
サトコさんは次の瞬間笑うのをやめて小声で呟くように言った。
「それに…私には、ガイドがいないので、自分でガイドを兼用できるほどのボディが必要だったの…次に、もしあいつに遭った時には、一人でも対抗できるだけの体がね…」
悔しさのような?怒りのような?そんなものが伝わってくる気がした。
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