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Dream Quest 本編13

「マヤはね…」
「えっ?」(なんだ急に?)
店主は独り言のように小さくつぶやくと、いきなり鋭い眼光で俺を穴があくほど見つめて低い小声で聞いて来た。
「君は、口は堅い方かい?」
「えっ?あ、えーっと、たぶん堅い方だと思うというか…」
「うん、君はきっと人の事も必要以上に詮索しないし、自分の事も友人などに余り語らないタイプだよね?」
「えっ?(ドキッ)まぁ、たぶんそうですけど…」
俺は、なんとなく変な性格を見透かされたような複雑な気分だった。
実際俺には、友達と呼べる程の相手などは少なかったし、親友などと呼んで特別親しく共に過ごした相手もいなかったからだ。
「私は、褒めたつもりだったんだけどね」
そう言うと店主は穏やかな笑みを浮かべていた。
「是非頼みたい事があるんだ、詳しい事は追々話すよ。向こうに行った事も無い君に今話しても全くわからないだろうからね、ただし会社関係者…すなわち私が、個人のお客様と特別仲良くする事は禁止されているので、内密に事を進めなくちゃいけないんだ」
「えーっと、話が全然見えないんですけど?」
「ああ…そうだろうね、とりあえず今夜君の夢に行くよ、そこで詳しい事を話したいので、少しだけ私に時間をくれないか?」
「俺の夢に?そんな事ができるんですか?」
結局その後で俺達は夢で会って話をするという打ち合わせをした。
俺をその気にさせるための芝居だったなんてオチではない事を祈るような気持ちで、俺は機器を装着してみた。
耳の方は多少違和感があるけれど、すぐに慣れるらしい。
腕輪の電源を入れると、小さく青い光が宝石のように点灯した。
丸いガイド用の機器はコンセントでコードを繋ぎ電源を入れてみた。
耳を澄まさないと聞こえないぐらいの音がウィーンと鳴って丸い金属の中央部の窪みあたりから、淡いスポットライトのように、ほんのり白い光が発したが、すぐに音も光も消えてしまった。
(これで準備OKなんだよな?なんかドキドキしてきた。
ヤバイ目が冴えてきたような気もする…)
俺は、お茶をグィっと飲んでベットに入って布団を被った。
ドキドキという心音を聞きながら、それでも俺は眠りに入っていった。
それはまだ本当に何も知らず、何も始まってすらいなかった俺の、最後の眠りとも呼べるものだったかも知れない。
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